バイオハザードなら有名だぞ!
バイオハザードなら、ご存じの方も多いかと思います。
言わずとも知れた、人気ゲームで映画化までされた程ですから、いまさら僕が解説する必要もないでしょう。
では、『ブルーハザード』と言う言葉はどうでしょう?
ほとんど馴染みのない言葉だと思います。
ネットで『ブルーハザード』と言う言葉を検索した場合、最近になって漸くヒットが得られるようになったくらい新しい言葉です。
かいつまんで、『ブルーハザード』を説明すると、ブルーハザードとは、 紫外線を含む青色光の領域(450nm 以下)の電磁波のこと、つまり青~紫外線にかけての光のことなんですね。
なら、『ブルーライト』でいいじゃん、わざわざ『ブルーハザード』なんてもったい付けた言葉を作るんじゃねぇ~よ。
っと、正直なところ思ってしまう訳なんですよ。
実際、ブルーの光はあらゆる所で有効活用が進んでいます。


上の画像は、東京の山手線とプラットホームの進入側に設置された自殺防止灯です。
11輌編成で運行されている山手線は、プラットホームの全長も長いため駅構内の進入時の速度は、実に40km/h~60km/hと高速です。
普通乗用車なら60km/h走行時に急ブレーキをかけて止まるまでの距離は約44m。
鉄道車輌ですと60km/h走行時に急ブレーキをかけて止まるまでの距離は約125m、もちろん晴天時で平地での制動距離です。
60km/h走行時だと、例え100m手前で運転士が非常ブレーキをかけても25mも行き過ぎる計算になります。
つまり、自殺志願者の方には線路に降りる前に冷静になって、止めて頂かないと実質的に間に合わないんですね。
そこで、自殺防止効果を期待されて設置されたのが、上のブルーライトというわけです。
JR東日本の広報担当者によると、青色は人びとの精神状態を穏やかにする効果があるとされていると述べ、 合わせて自殺防止対策とともに落書きやポイ捨てなどの軽微な犯罪を抑止する目的もあるということです。
確かに、カラーセラピーでも青系の意味合いは、理性的、自制心、忍耐力、冷静、謙虚などなど正に自殺防止にはうってつけのキーワードを 持った色彩です。
因みに肉体的な効果としては、自律神経の鎮静、α波作用、脈拍降下、鎮痛作用などなど良いことばかり。
なのにわざわざ、『ブルーハザード』なのか?
その秘密は近代に於ける、我々の生活スタイルの変化に起因するものなんですね。
原因の一つに挙げられるのが蛍光灯です。
いまやお家の照明の主流と言えば、蛍光灯ですね。
白熱球と比べて、消費電力が極端に低くおまけに明るいと言った、正にエコな照明だったのです、今までは。
そんな蛍光灯が何故に、問題児扱いされるようになってきたのかは、発光のメカニズムを紐解かなければなりません。
実は蛍光灯は、紫外線発生装置の進化型なのです。
普段我々が目にする蛍光灯は、白っぽいガラス管に金具のついた物ですよね。


この白っぽいガラス管は、ガラスが白いのではなく、透明なガラス管の内側に蛍光塗料を吹き付けてあるんです。
では蛍光塗料を吹き付けないで、透明なままの蛍光灯はどうかと言うと。


あらら、真っ青に光ってますね。
実はこれ、青い光と共に紫外線をしこたま捲き散らしてるんです。
本来は殺菌灯として利用されています。
ですから、こんな風に撮影したらダメなんですよねぇ、ホントは。
つまり、蛍光灯は青い光を基に蛍光塗料をフィルターとして、紫外線を軽減して赤系から緑系の色を混ぜた照明ということなんですね。
それでは、光の構成成分とも言うべきスペクトルを、特殊なスコープを使って見てみると・・・。


左が蛍光灯のスペクトル、右が殺菌灯のスペクトルです。
強く多い光は明るく、弱く少ない光は暗く映ってます。
なるほど、やはり青系の光が強い傾向にありますね。
因みに、蛍光灯と似た発光システムを使っているパソコンの液晶モニターのスペクトルを見てみると・・・。

こりゃまた、見事に青ばっかり。
おまけとして、天然物の代表格である太陽の光を見てみると。

全体的にバランス良く、キレイにグラデーションになってます!
ってことはですよ、お家からオフィスまで蛍光灯に囲まれた環境で生活している近代人は、実は真っ青な環境で暮らしているって事になるのでは?
しかし自殺防止灯は青いのに、真っ青な環境で暮らしている様な現代人に自殺者が増えているのは矛盾があるように思いますね。
実はこれ、青の意外な副作用が関係している可能性があるのです。
『ブルーハザード』の意味合いが、おぼろげに見えてきたような気がしますね。
次回は、『ブルーハザード』を更に分析したいと思います。