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怒濤のカラーと毒舌授業

見えてきたぜ!『ブルーハザード』

さて、2010年02月に前回のコラムを書いてから既に半年以上経過してしまいましたが、懲りずに『ブルーハザード』ネタでいきます。

本題から逸れますが、この数ヶ月の間に『ブルーハザード』のキーワードでネット検索をしてみると随分ヒットが増えてきました。

『ブルーハザード』と言う言葉が日本でも浸透しつつあるようです。

元々、『ブルーハザード』と言う言葉は外国で注目され始め、『ブルーライトハザード』と表現されることが多いです。

この『ブルーハザード』、前回のコラムで蛍光灯との関係が疑われている事を述べましたが、 ここで蛍光灯の歴史の一部を紐解いてみようと思います。

蛍光灯は戦後高度成長期に省エネ光源として日本中の一般家庭に広がります。

しかしながら起源は意外と古く、蛍光灯の原型は1800年代後半には既に発明されており、1900年代前半に実用化されました。

実際には日本に於いても昭和15年以降に製造された旧大日本帝国海軍の伊号潜水艦の室内照明の主流は蛍光灯でした。

物資が乏しく国民の困窮を余儀なくされていた時勢にもかかわらず、高価な蛍光灯が潜水艦に採用された理由は下記の通りです。

  1. 通常の電球に比べ寿命が長い
  2. 消費電力が少ない
  3. 電力エネルギーの熱変換率が低い(艦内が高温になりにくい)
  4. 乗組員の健康増進

このコラムの中で注目して欲しいのは、4番目の乗組員の健康増進です。

なんで蛍光灯が健康増進に役に立つのか・・・、これは潜水艦の任務の特殊性によるものが大きいのです。

潜水艦は密閉された狭い空間で2、3ヶ月もの間、一度も浮上することなく海中に潜み続ける事も珍しくありません。

つまり、日光に数ヶ月浴びることが出来ないわけです。

人間は紫外線を皮膚で受け止め、ビタミンDを生成しています。

潜水艦の乗組員は慢性的にビタミンDの欠乏症に罹りやすい職種だったのです。

ビタミンDが欠乏すると、歯がボロボロになったりあらゆる骨が歪曲してしまう「くる病」、「骨粗鬆症」、「骨軟化症」を代表とした 疾患を併発してしまいます。

蛍光灯はこれらの疾患を予防し、且つ艦内を快適に保ち、省エネである当に救世主だったわけです。

蛍光灯

潜水艦で使用された蛍光灯は、紫外線の波長も太陽光に準ずるよう調整されいた事が現在の蛍光灯とは異なりますが、 短波長の電磁波が強い事には違いがありません。


ここで、一般的な現代人の生活に於ける蛍光灯との関わりについて考えていこうと思います。

ここ日本で朝起きて夜寝る生活をしている場合、一切の光を遮断した部屋に閉じこもっていない限りは ビタミンDを生成する為に必要な紫外線は日中のうちに太陽光から受ける事が出来ます。

ところが、現代人は日没後も活動するために照明を用いています。

この照明の多くは蛍光灯ではないでしょうか?

家に帰ってからも、パソコンやテレビを使用する人が多いと思います。

これらの光源は、いずれも短波長の電磁波が強い物が大半で意識はしないまでも『青系の光』ばかりを受け続けているわけです。

蛍光灯スペクトル蛍光灯のスペクトル
PCモニタースペクトルモニター類のスペクトル

『青の過剰摂取』とも言えるのが、現代人のライフスタイルなのです。

因みに、今ではデジタルカメラが主流になりましたが、一昔前のフィルムを装填する銀塩カメラで蛍光灯の下で人物を撮影すると 顔色が悪く映ったり、緑色がかった肌に映ったりしたものです。

カメラと言うよりフィルムの感光剤は素直なもので青い光をしっかり捉えた結果、ちゃんと病的な顔色に写し取ってくれてたわけです。


極端にまとめてしまうと、現代人は昼も夜も『青系の電磁波』にさらされまっくってるってことです。

統計によると一般的な就労者は、実に年間4000時間以上『青系の電磁波』に曝されているとのことです。

こういう表現はどうかとも思いますが、これではまるで「青のブロイラー」状態です・・・。

鶏なら肉付きが良く、ガチョウなら良いフォアグラに・・・って感じですが、さすがに人間では洒落になりません。

ここまでのお話で気になるのが『青系の電磁波』が要因になる生活習慣病ってないの?ってとこでないでしょうか。

次回は、『ブルーハザード』の実害のお話を-。

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